2010/07/14

ぼくの大切な君へ



明日出かけるからねって手紙を書いた
ちょうど君が近所のスーパーへでも
出かけるカンジで


君は僕のことを何でもわかるから

僕がつめた旅行鞄に
おなかの薬
どこに行っても困らないように電子辞書


それから
「いってらっしゃい」って

いつもと何もかわらないように
また旅に出ることを選んだ僕に

君は少し哀しい目をして


また戻ってきたとき
君は まだここにいるだろうか

決まりごとのように
約束はこわれるから
君は僕に何もいわないまま

僕の旅に約束があるとすれば
君をきっと忘れないこと


野の花のような君を



.

「生きること」ただそれだけの約束のために

きょう 届いた 生まれたばかりの君の写真 毎日同じように 繰り返す喧騒 人々が帰りをいそぐ夕方をまわって ひとり  疲れた体で電車に飛びのる頃には たくさんの家々に 暖かなひかりが満ちていて 君がお腹の中から 生まれてくる今日まで た...