2010/07/11

帰郷




花咲く旅路  
 
   
   鈴なりの花を摘み
       吹く風に夏を知る

          -花咲く旅路  桑田 圭祐




故郷への帰りみち
いつだって流れていたあの歌を

私はついぼんやりとくちづさむ





あなたが旅立ってから9回目の夏がきました


夏休み用に買い込んだ新しい服
それからたくさんの洗濯物
それから駅で買いこんだおみやげ
一人暮らしでちょっと傷ついたキモチ

何もかも鞄につめこんで
 ふるさとへの帰郷
電車からおりた瞬間あふれる
いつもと同じ笑顔のあなた



どんなに離れていても
 あなたの待つ私の家は草の匂いがして......




かあさん 今、あなたはどのあたりを旅しているのですか









「生きること」ただそれだけの約束のために

きょう 届いた 生まれたばかりの君の写真 毎日同じように 繰り返す喧騒 人々が帰りをいそぐ夕方をまわって ひとり  疲れた体で電車に飛びのる頃には たくさんの家々に 暖かなひかりが満ちていて 君がお腹の中から 生まれてくる今日まで た...