2011/05/14

遅咲きチューリップ

チューリップの季節が終わります。 






ふりはじめた雨と
新しい季節の風
いつでも平等な引力に
たったひとつの花をたたえて


ただ潔よく 
その姿が凛として
かけあしでやってくる季節に
小さな露の玉のように



とどまらないものは
時間なのか
できごとなのか
それとも
「ひと」
なのだろうか


冷たい風と
暖かな風が
花の間をかけぬける


遠いとおい空に恋をして


すこし哀しいお別れに
なんだか 少しほほえんで
「ありがとう」
そんなふうに手を振って







「生きること」ただそれだけの約束のために

きょう 届いた 生まれたばかりの君の写真 毎日同じように 繰り返す喧騒 人々が帰りをいそぐ夕方をまわって ひとり  疲れた体で電車に飛びのる頃には たくさんの家々に 暖かなひかりが満ちていて 君がお腹の中から 生まれてくる今日まで た...