2011/04/06

ひだまりのなか



まだ冷たい春の風に
ほわほわと

ほわほわとゆれながら

咲き始めたばかりの
ちさきもの

素顔のまま
ちいさく ちいさく
ほほえんで


きょう、おねえちゃんのママが旅立った。おっきくてあたたかいママだった。
ごはんがとびきり美味しくて...


「いのちの旅立ち」に、言葉なんてどうしようもなくちっぽけで、
ふと、たくさんの人々が誰にもみとられず波にのみこまれていった
このあいだの出来事が胸をかすめる




この蒼い空のはての階段を
人はいつか必ず昇って
天国にいくらしい

ひだまりのなかの
白い階段

「ママ」

そう呼んで黙った

ネメシアの花が静かに風にゆれて



「生きること」ただそれだけの約束のために

きょう 届いた 生まれたばかりの君の写真 毎日同じように 繰り返す喧騒 人々が帰りをいそぐ夕方をまわって ひとり  疲れた体で電車に飛びのる頃には たくさんの家々に 暖かなひかりが満ちていて 君がお腹の中から 生まれてくる今日まで た...